交通心理学(’17)~2019年度第2学期に履修

放送授業
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『交通心理学(’17)』は、放送大学に入学する前の説明会で放送大学の特徴的な科目だという説明を聞き、受講することにしました。


交通問題を多方面からとらえている科目

『交通心理学(’17)』は、運転経験や年齢による判断力やリスクマネジメントのとらえ方の違い、子どもや高齢者がなぜ交通事故に遭いやすいのかなど、交通事故が発生するメカニズムやその要因を心理や知覚といった幅広い方面からとらえている科目です。


目からウロコの交通心理学ベスト3

『交通心理学(’17)』を履修して、”そうだったのか!”と思うことがいくつもありました。
その中から個人的な”そうだったのかベスト3”をご紹介します。

日本の道路が狭いのは飛脚や駕籠が通っていたから

ヨーロッパ旅行に行ったとき、日本の道路が狭いことを感じました。

日本では歩道と車道が混在している場所も多く、歩いていても怖いと感じる道路も多いです。

自転車に乗って移動することが多いのですが、自転車は車両なので車道を走るようにいわれても、車道が狭くて自動車と同じ場所を走ることに恐怖を感じます。

自転車専用レーンがあればよいのですが、設置されている地域は限定されており、いまだかつて自転車専用レーンで走ったことがありません。
でも、それが当たり前だとさえ思っています。

それに比べてヨーロッパの道路は広く、道路の両側に設置されている歩道はゆったりとしていてオープンテラスのカフェもあります。
自転車専用レーンのあるところも多く、自動車や歩行者を気にしながら走る必要もありません。
うらやましい限りです。


『交通心理学(’17)』を学んで、なぜ日本の道路は歩行者や自転車に優しくないのか、という理由にたどりつく内容がありました。

中世から欧米では馬車を利用した交通が普及していたので、馬車に代わって自動車が走るようになっても比較的スムーズに切り替えができたそうです。

しかし日本では、飛脚や駕籠などの徒歩で移動するための道路に自動車が走るようになったため、自動車と歩行者のスペースが明確にわけられていない道路が多いそうです。


道路事情ひとつにも、歴史的な背景があったことを知りました。


「自動車の安全性技術の向上」=「事故の減少」にはならない

自動車が安全に走行できる技術が向上すれば自動車による事故は確実に軽減するという期待を持っていたのですが、「自動車の安全性技術の発展」=「交通事故の減少」にはならないそうです。がっかりです。


人は自動車技術の発展によってドライバーも歩行者も安心してしまい、危なくなってもリスクを回避する行動をしなくなる恐れがあるそうです。

”これくらいなら大丈夫””注意深く見ていなくても大丈夫”などの心理が働くそうです。

事故を減少させるのには、自動車の安全性技術の向上以上に、事故を起こさないようにする人の行動が重要なのだと感じました。

ハンドルを握ると人が変わる原因

普段は穏やかなのに、自動車を運転すると人が変わったように荒々しくなる「ハンドルを握ると人が変わる人」というのを耳にします。

普段の態度は、無理に作っていたものなのでしょうか。
運転をすると、その人が元来持っていた性格が現れるのでしょうか。

車内という狭いスペースで自動車を運転することで、自分が自動車を支配しているだけでなく、すべてを支配しているという感覚に陥ってしまうそうです。

人の心理の怖さを垣間見ました。

授業で取り上げて欲しかった事

『交通心理学(’17)』は2017年開講の科目で仕方のない事ですが、高齢ドライバーによる危険運転や事故、あおり運転など問題になっていることについて、心理学から考察できる事や予防策などが取り上げられていたらよかったと感じました。


受講してよかった『交通心理学(’17)』

『交通心理学(’17)』を受講する前は交通と心理学の間にどのような関連があるのかが想像できませんでしたが、講義を受講するにつれて身近な問題に心理学が利用されている


それと同時に、技術の発展だけでなく、もっと人の心理という側面からもアプローチをしていかなければ交通問題の減少にはならないと感じました。


自動車を運転するのも、自転車に乗るのも、道路を歩いて移動するのも、すべて人なのですから。



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